20代、言語化できなかった理想の組織像

辿り着いたのは、理念的な「真・善・美」を追い求め続けたいという想い
創業者であり、現代表の上田が前職で感じた、売上ばかりを追及し続けることへの違和感。

その違和感を経営者として解消していくことへのチャレンジが始まっています。

佐藤:「若かりし頃、前職のオーナーと価値観が違うなって思った時に、言葉化しきれなかった理想の組織っていうのは、今反映できている感じなんですか?」

上田:「最近そればっかり考えますけど、企業理念っていうところでいうと、“真・善・美”じゃないかって最近思っています。それを追い求め続けたいですね。前職で売上だって言われたときに、売上って人生の価値にそんなに影響するのかって思った時の感覚って、未だにあるんですよね。会社創業しているくせに。(笑)」

「資金繰りを経験しているんで、売上あったほうがいいのは分かるんですが、そこが最上の価値じゃないって思いますね。そんなことに人生かけたくないっていう。」

現在は年商68億円規模の会社の創業者である、上田。

20代から理想の組織を追い求め続けた上田が考える、「理想の組織」への答えとは?

[再生時間7:34]

(一部抜粋)

上田:「真理」っていうのは、結局仮説検証を繰り返していくことだと思うんですよ。現実世界の中で哲学的な意味っていうのもあると思うんですけど、ビジネス的な意味で、真理っていうのは仮説検証を繰り返していく、っていうのがすべてのモデルの終着点なんじゃないかって私は思っています。「善」っていうのは、善きことなんですが、言葉でいうと正義とか、真の公平公正とか、頭に浮かびますね。創業以来やってきていますし、人事制度、給与制度はじめ、成長機会を平等に与える、っていうのもやってきているつもりですね。あともう1つ、「美」っていうのは社会との接触の中で醜いことしたくないっていうのがやっぱりあるんで、これは美しいことなのか?っていうのは常に問うていますね。

今は妥協しつつやらなくてはいけないこともあるけれど、いずれ実現したいっていう想いがあります。それが組織だったり、取組先と価値を共有しながらできるっていうのが、具体的には理想的な姿、あるべき姿なんじゃないかなっていうのがありますね。今もトップの概念に業績を置かないっていうのは社内でいっていますね。業績は制約条件であって、絶対に業績はあげなきゃいけないけれども、目的じゃないと。

佐藤:営業結果が最高益でも、美しくないねっていうのは善しとはしないってことですよね。
美しいねっていうのがいいねっていう。
佐藤:トヨタさんも、まったく売上目標ないんだそうです。あるのはもっといい車をつくるというビジョンだけっていう。

上田:トヨタさんと比べるのは申し訳ないですけど、うちにも売上目標ないんですよね。
今実は予算制限もないんですけど、概念的にアプローチしていって、正しいマーケティングや正しい商品企画やっていけば、自ずと数字はついてくるので、短期の売り上げ数字に関してはほとんど言わないですね。

佐藤:目標数値に関して詰めるってことはないんですか?

上田:目標数値に関しては、やりたいっていう人を止めることはないんですが、それよりも人事的な視点でのコミュニケーションやフィードバックっていうのを大事にしています。
「役割はなんなの?」っていうところだと思いますね。ミッションビジョンや理念と照らし合わせた時に、この会社においてどういう役割を担っていきたいと思っているのかが最大のポイントですね。それによってこの組織を使ってどう自己実現していきたいのか、っていう自律的な気持ちを大事にするっていうのがすべてで、数字は結果的に、っていう。もちろんやりとりの中で技能的な話はするんですけどね。だとしたらこういう技能身につけなきゃねっていう感じのは散々やりますけどね。まあ強制しても内側からやる気がでてこないと、人ってどうせやらないんで、自律を大事にしていますね。


《対談者プロフィール》

佐藤孝治

株式会社ジョブウェブ 代表取締役会長
1972年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。就職活動後、大学4年生の96年10月ジョブウェブを創設。97年7月アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。99年10月ジョブウェブを法人化し代表取締役社長就任。以後、学生の就職支援と企業の採用支援を通じて、 学生と企業の本音コミュニケーションをサポートしている。2013年7月より代表取締役会長に就任。
著書に「廃止論(PHP出版)」「内定の原則(英治出版)」等。
公益財団法人日本ユースリーダー協会 理事
一般社団法人アスバシ教育基金 理事

上田敬太郎

株式会社コスパクリエーション 代表取締役
新卒で大手通販企業に入社。その後、2001年に理想の組織づくりを目指して、 株式会社コスパクリエーションを創業。『通販素材.com』を立ち上げ、ネット通販の供給側に在庫リスクゼロで販売ができる、BtoBtoCの事業モデルを構築した。常日頃から本を読むことが好きで、その幅はとてつもなく広く、ビジネス書だけでなく、哲学、音楽、芸術、歴史に精通しているため、質問に対して返答がないケースは稀。しかし、高校まではピッチャーとして甲子園を目指したり、大学ではボート部に所属していたりと体育会系でもある。