新卒一括採用の仕組みの中で、自身を深掘り夢にぶつかる前に、世の中的に良いと思われるところに就職する人は多い。

結果ミスマッチが起こり、3年以内の離職率が改善されない、という現状がある。

上田社長のように起業する人はまだまだ少数派であり、多くの人はサラリーマンになる中で、会社のビジョンや目的意識がその人の価値観に合わなかった、ということが離職の大きな要因の1つになっている。

したがって、自分の夢や目標を描けているかどうかが会社への当事者意識に大きく関与する可能性は高い。

この動画は、夢を描くとはどういうことか、ということに関して、ジョブウェブの中村氏と対談した内容です。

[再生時間28:49]


<所感>
誰しも、「〇〇ちゃんの将来の夢はなぁに?」と、幼い頃に聞かれた経験はないだろうか。

夢は誰かに言われてから描くものでもなければ、漠然と思い描いたまま、いつかの未来に突然叶うようなものでもない。

今の積み重ねが未来であり、今に対して向き合えていない状態では、夢を描けているとは言い難い。日常の自分に向き合えていないままの、漠然とした叶える気のない夢は、ただの幻想にすぎないのだ。

夢が叶う瞬間というのは思っているよりも地味であり、想像もしないくらいにあっさりとしていることが多い。

日常にコミットし、常にアップデートしているからこそ、夢が叶うときには既に次の夢が見つかっている人も多いのかもしれない。

ここで、夢を描き、それを実現するために重要な視点がある。

それは、「日常の考え方」だ。日常をどう過ごすのか考え続けること。その考えをアップデートし続けることの重要性がこの対談では述べられている。

上田社長が対談中に紹介していた「空気の研究」という本の中に記載されている、日中国交正常化の際のエピソードが良い例だ。

当時の首相であった周恩来が田中角栄に日本人の国民性に関して、「言必信、行必果(やるといったら必ずやるさ。やった以上はどこまでもやるさ)」という言葉を贈ったという。

当初、私自身この言葉に関して、「いいことじゃないか」という印象を持った。

しかし、この後には、「硜硜然 小人哉(それだけしかできない人間は、小物である)」という言葉が続いているそうだ。一体どういう意味なのか。

ここに込められた言葉の意味は、こう解釈することができる。

思考において「決める」というフェーズを一度通過すると、以降、決めたことだけを守り抜き、それ以上のアップデートは行わず、思考停止に陥ってしまう。それが日本人だ、と。

信じたら盲目的に突き進む。日中の国交が正常化された1972年、いや、それよりも前の戦争へと突き進んだ当時の日本の風潮から、まったく変わっていないことの表れではないだろうか。

日本では教育過程でこの空気が蔓延し、決定事項を疑わず、仮説検証していくという視点が養われる機会がとても少ない。

むしろ、1つのことをやり遂げることが美徳とされ、だからこそ製造業が発達し、その国民性が高度経済成長を支え、モノづくり国家となった。

しかしながら、その空気は外部環境が変わったとたんに内向きを促進し、いつの間にか夢を描く(日々仮説検証を繰り返しアップデートしていく)という視点を失い、居場所がないと思う若者が増え、今いる場所から飛び出すのが怖いまま、その環境の中の世界だけで鬱になり、引きこもりや自殺に至ることもある。

物事には良い面悪い面の両面あるが、これは外部環境によって適宜捉え方を変えなければならない。

盲目的に世論を信じることを脱し、日々を自分事にし、言われたから、決まったからではなく、仮説検証を繰り返しながら叶えたい想いをアップデートし続け、楽しく日々を生きられる人が増えたらいいなと思う。

夢を描くことは、それについて考え続け、アップデートし続けるということ。どうせなら、自分と現状と夢に向き合い続けることを恐れずに日々アップデートしながら、生きているうちに何個でも夢を叶えていきたい。

(赤田佳奈絵)


《対談者プロフィール》

上田敬太郎

株式会社コスパクリエーション 代表取締役
新卒で大手通販企業に入社後、2001年に理想の組織創りを目指すために、 株式会社コスパクリエーションを創業。『通販素材.com』を立ち上げ、ネット通販の供給側に在庫リスクゼロで販売ができる、ドロップシッピングの事業モデルを構築した。常日頃から本を読むことが好きで、その幅はとてつもなく広く、ビジネス書だけでなく、哲学、音楽、芸術、歴史に精通しているため、質問に対して返答がないケースは稀。しかし、高校まではピッチャー5番、副キャプテンいう典型的な高校球児として甲子園を目指したり、大学ではボート部に所属していたりと体育会系でもある。

中村寛大

株式会社ジョブウェブ エグゼクティブ プランナー
2012年新卒でジョブウェブに入社後、多くの素晴らしいお客さまに育てられ、コンサルタントとして様々な企業規模のクライアントに対して組織の問題を解決するコンサルテーションを提供。個人のビジョンは、マイナスをプラスにすることであり、ビジネスで社会課題を解決することが生きがいと感じている。また、正解のない問いについて延々と考えることや仕組みを考えることが好きで、その手の話になると俄然燃える傾向にある。