マクレガーのX理論・Y理論とは?

X理論とは…
人間は本来、怠け者であり、責任を負いたがらないとする人間観
→安定性、機械的組織における人間観としてイメージされる
Y理論とは…
人間は、働くのが嫌いではなく、ときには責任を負い、創造力を発揮すると考える人間観
→柔軟性、有機的組織における人間観としてイメージされる

《Y理論的要素》

・仕事で労力をつかうことは、遊んだり、休憩するのと同じくらい自然なことである。
・外圧や罰則による脅しが、組織目標に向けた努力もたらす唯一の手段ではない。
・人は、自分がコミットする目標に服して、自らを方向づけ、自己統制を行使する。
・人は、適切な状況の下では、責任を引き受けるばかりでなく、責任を探し求めることさえ学ぶ。
・組織の問題解決において必要な、想像力、工夫力、創造性を行使する力は、多くの人に備わっている。
・現代の企業においては、普通の人の知的な潜在力は部分的にしか活用されていない。


Y理論のようで、完全なY理論ではない日本企業の特徴についての示唆は以下から

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森田:マクレガーのY理論的なマネジメントは、日本の企業に多いんですよね。
アメリカ人と日本人を比べると、圧倒的にアメリカ人はX理論的な発想をしています。日本は割にY理論が多い。しかし、私が日本企業の管理職に調査をした結果は、意外と完全なY理論ではないんです。

森田:どこが違うのか?
日本人は部下を信用しないんですよ。部下に責任を負わせる、ただし、失敗をするんじゃないと。俗にいう、超危険行動のようなリスクのある仕事を与えるのは嫌だという管理職者が多いです。


<編集後記>
日本企業の不完全なY理論志向には、管理職者と部下の信頼関係、部下を大人として扱えるかどうかという見方も関係しているように感じます。「主体性をもって動いてもらいたけれども、危険な方向に向かうのは心配である。役割を曖昧にして自ら仕事を引き受けてほしいけれども、失敗しそうなときには先に手助けをしてしまう。」仕事を任せる上司にも心理的な葛藤があり、部下を思いやる気持ちと失敗されては自分が困る、上司としての役割と責任の果たし方に悩む管理職者も多いのが実態ではないでしょうか。
上司・部下の関係であっても、お互いが自律した関係の大人であることを前提として、お互いを尊重し合ってつくられる組織が、本質的なY理論を志向する組織ではないかと考えます。1人ひとりが責任をもって組織における自分の役割をまっとうできる状態をつくることを目指して、コスパクリエーションでは継続的な組織開発の取組みを行っています。


《対談者プロフィール》

上田敬太郎

株式会社コスパクリエーション 代表取締役
新卒で大手通販企業に入社後、2001年に理想の組織創りを目指すために、 株式会社コスパクリエーションを創業。『通販素材.com』を立ち上げ、ネット通販の供給側に在庫リスクゼロで販売ができる、ドロップシッピングの事業モデルを構築した。常日頃から本を読むことが好きで、その幅はとてつもなく広く、ビジネス書だけでなく、哲学、音楽、芸術、歴史に精通しているため、質問に対して返答がないケースは稀。しかし、高校まではピッチャー5番、副キャプテンいう典型的な高校球児として甲子園を目指したり、大学ではボート部に所属していたりと体育会系でもある。

森田一壽

株式会社コスパクリエーション 顧問
産業・組織心理学者。東京大学文学部心理学科卒業後、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。帰国後は複数の大学で教鞭をとりながら、産業・組織心理学会理事、人材育成学会会長(現顧問)なども歴任。
2014年に目白大学大学院特任教授を退官。現在は企業の顧問を務めるかたわら、組織開発研究所を設立し、組織診断やストレスチェック等のツール開発などにも従事。著書は 「経営の行動科学」(福村出版)、「人材活用フォーマット」(法令総合出版)、「医療福祉マネジメントの実践」(日本図書刊行会) など。