「人は責任をとることが好きなのか、嫌いなのか?」

会社のトップが持つ“人間観によってつくられる組織”を研究した理論に基づく上田社長へ3つ目の質問。

森田:同じような視点での質問ですが、人は責任をとるのが好きか、嫌いか、これはどう思いますか?

上田:責任をとるのが好きだと思います。好きであってほしい(笑)好きだとはちょっと言いきれないですけど。

[再生時間5:28]

森田:責任のある仕事ってちょっと怖いですよね。

上田:ただ、成長には欠かせないものだとすごく思いますね。

森田:それは社長の成長ですか? 従業員の成長ですか?

上田:はい、それは従業員も含め、一人ひとりの成長です。
たとえば、洞察力を磨くということひとつをとっても、できるだけ頑張る、最善を尽くすということと、やらなければ死ぬという状態で仕事をするのでは全然違うと思います。それを周囲に宣言して、背水の陣でやって、その結果が同じであっても、本人の成長や洞察力は明らかに変わっているという経験を、創業の時に自分がしたと思っています。

森田:それは重要なことです。禁煙もそうです。

上田:禁煙ですか? 私は、禁煙はできない…

森田:禁煙も自分が宣言する、自分が明らかにするというのが大事です。それによって責任が伴ってきます。結局、その後ダメになってまた吸う人もいるけど、宣言することでの心理的変化は大きいです。成長とか変革の第一歩ですね。

森田:責任ある仕事を本来望んでほしいけど、でも、そうではない人もいっぱいいますね。

上田:いっぱいいます。
私は心の損得勘定だと思います。責任を持とうとすると、心は損する。でも周りからは逞しく見えるから、私はよい方向に行くと思う。心はキツイけど成長につながると思います。

上田:私は、禁煙はできないですけど、何かひとつでも責任を持つ方に向かえれば、それが仕事ならいいなと思います。私は家ではダメダメですよ(笑)
でも、何か一点で、自分のミッションというところでは責任をとりに行った方が、自分のためになっていいと思うんですけどね。目に見えない成長というか、洞察力というのが変わると思います。これは外から言っても伝えるのが難しいですね。

森田:結局それは、自分自身が目的を明確に持っていて、それを達成するためにいろいろ考えるから。考えるというのは、社長のように洞察力も入るし、具体的に何かを解決する方法論も入ってきます。だから、常に一人ひとりが、役割・課題を明確にしていれば責任を取る方向に向かっていくんですよね。


<編集メモ>
上田社長が考える「心の損得勘定」については、全体朝礼や全社イベント(年2回の共有会)でも直接、全社員の前で話されたこともあります。コスパクリエーションで責任のある仕事を任される機会は、年齢も性別も国籍も雇用形態も関係ありません。
新卒社員が感じている自由と責任についてのインタビュー記事もご覧ください⇒こちらから


《対談者プロフィール》

上田敬太郎

株式会社コスパクリエーション 代表取締役
新卒で大手通販企業に入社後、2001年に理想の組織創りを目指すために、 株式会社コスパクリエーションを創業。『通販素材.com』を立ち上げ、ネット通販の供給側に在庫リスクゼロで販売ができる、ドロップシッピングの事業モデルを構築した。常日頃から本を読むことが好きで、その幅はとてつもなく広く、ビジネス書だけでなく、哲学、音楽、芸術、歴史に精通しているため、質問に対して返答がないケースは稀。しかし、高校まではピッチャー5番、副キャプテンいう典型的な高校球児として甲子園を目指したり、大学ではボート部に所属していたりと体育会系でもある。

森田一壽

株式会社コスパクリエーション 顧問
産業・組織心理学者。東京大学文学部心理学科卒業後、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。帰国後は複数の大学で教鞭をとりながら、産業・組織心理学会理事、人材育成学会会長(現顧問)なども歴任。
2014年に目白大学大学院特任教授を退官。現在は企業の顧問を務めるかたわら、組織開発研究所を設立し、組織診断やストレスチェック等のツール開発などにも従事。著書は 「経営の行動科学」(福村出版)、「人材活用フォーマット」(法令総合出版)、「医療福祉マネジメントの実践」(日本図書刊行会) など。