「優れた人はあまりいないのか?」

会社のトップが持つ“人間観によってつくられる組織”を研究した理論に基づく上田社長へ4つ目の質問。

[再生時間5:31]

森田:優れた人はあまりいないんですかね?

ここでの優れた人というのは、社長が考えているような、仕事が好きで、責任も持って、仕事は自分でつくるという人で、そういう人は現実にはあまりいないのか、という意味です。

上田:性善説ではないですけど…、人は変わるとも思うし、すべての人がそうというわけでもないけど、人はそういう要素を持っていると思います。目には見えなくて、本人も気づいてないかもしれないけど。

森田:誰でも?

上田:誰でもと信じたいけれども、それはわからないです。
これは採用のところでも話していて、そういう人がどこにいるのかと探すんですけど、こちらが発信したことに、何か心が引っかかるという人はいると思います。いると思わないとやっていられない気持ちもありますし、何か深い話をすれば引っかかる人は多いのではないかと。

森田:多いというのは全員ですか? 全員に芽はあるはずだと?

上田:芽はあると思います。

森田:その芽は誰が育てるんですか?

上田:自分自身でも、近くにいる人でも、社会でもあるし、組織でもあると思います。

森田:そこで考えるのが組織なんですね。組織が育てていかなければいけないんだと。もちろん本人の力がベースにあることを前提としますが。前に話した、責任ある仕事がやりたいとか、仕事が好きだというのを持っている人はみんなだと、その芽が出たときに育てていくのは組織そのものなんだと、それがマネジメントなんだという理論があります。

森田:それは、マクレガーという人の理論です。伝統的なマネジメントの手法ではなく、従来のやり方を否定して新しい組織をつくっていくにはY理論的な考え方が必要だと。今、社長が話してくれたような内容を教示しました。今までのやり方を変えろと教示したのがマクレガーの理論で、XYセオリーと言われています。X理論とY理論という割と有名な理論です。


<編集メモ>
マクレガーのX理論とY理論という視点でみると、上田社長が理想とする組織はY理論をベースとした人間観に基づくものであり、コスパクリエーションはY理論による組織づくりを志向しているといえます。
X理論とY理論の解説はこちら


《対談者プロフィール》

上田敬太郎

株式会社コスパクリエーション 代表取締役
新卒で大手通販企業に入社後、2001年に理想の組織創りを目指すために、 株式会社コスパクリエーションを創業。『通販素材.com』を立ち上げ、ネット通販の供給側に在庫リスクゼロで販売ができる、ドロップシッピングの事業モデルを構築した。常日頃から本を読むことが好きで、その幅はとてつもなく広く、ビジネス書だけでなく、哲学、音楽、芸術、歴史に精通しているため、質問に対して返答がないケースは稀。しかし、高校まではピッチャー5番、副キャプテンいう典型的な高校球児として甲子園を目指したり、大学ではボート部に所属していたりと体育会系でもある。

森田一壽

株式会社コスパクリエーション 顧問
産業・組織心理学者。東京大学文学部心理学科卒業後、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。帰国後は複数の大学で教鞭をとりながら、産業・組織心理学会理事、人材育成学会会長(現顧問)なども歴任。
2014年に目白大学大学院特任教授を退官。現在は企業の顧問を務めるかたわら、組織開発研究所を設立し、組織診断やストレスチェック等のツール開発などにも従事。著書は 「経営の行動科学」(福村出版)、「人材活用フォーマット」(法令総合出版)、「医療福祉マネジメントの実践」(日本図書刊行会) など。