私は会社の仕事というものを一般の学校やビジネススクールなどの授業で教えてもらったことがない。
私は決してスマートにこの組織を経営してきたわけではない。
しかし、だからこそ書ける仕事論・経営論もあるのではないかと考えている。
創業からこれまで、夢の中でも仕事のことを考え続け、小さな「わかった!」を積み上げてきた。
普通の人より少しだけ長く強く仕事の本質を考え続けてきたと思う。その結果身に着けた経験を伝えたいと思い文章を書いている。
私は、会社の仕事とは詰まるところ「技能としての哲学」だと思う。
哲学とはものの見方・考え方と言い換えてもいいが、「技能としての」とつける理由は、決して頭で理解するだけでは事足りず、スポーツのように心・技・体のバランスが要求される実践的知識体系だからである。
しかも個人スポーツではなく、他人との複雑な関係性をも司る集団スポーツだ。
しかし、スポーツに似ているからといって、相手が目の前にいることは稀である。
競争相手を決めるのも仕事の一部なのだ。
味方が突然、敵になることだってある。競技の種類やルールでさえ考え検討する対象になる立体的で複雑なゲームである。
そうした、ビジネスゲームの世界で、競争相手に勝ち続け、自社の存続と成長を獲得するには、日々現場で遭遇する個別具体的な課題に対し、反射的に最適解を導き出すような次元にまで修練を積まなければならないのである。
何度も何度も基本動作を身体に染み込ませ、実践でアウトプットを繰り返し、初めて成果につながる性質を持っているのである。
であればこそ、学校でスマートに教えるだけでは事足りず、ひたすら成果に執着し、現場で悶絶し、知的・精神的修羅場で格闘しながら体に刻み込んだリアルな「仕事の実学」には意味がある、そう感じたからこそ書く気になった。
私は常々、仕事は現場7割・座学3割と言い続けている。
ここで文章を読むだけではまったく何の役にも立たないだろう。文章と読む者の経験がシンクロし、新たな知恵を紡ぐ土壌を生んでくれるはずである。
成長を続けるわが社のようなベンチャー企業の最前線で、挑戦し、実力を蓄積していってくれるような、多くの若い「できるやつ」の輩出を待ち望んでいる。

代表取締役 上田敬太郎